E'b vol.136

vol.136  心がまえ


breathの1階フロア奥にあるわたしの部屋には、自ら筆を執った「座右の銘」が立

派な額に入って掛かっています。わたしの心の拠り所であるこの「六然訓」(りくぜ

んくん)は中国明時代の政治家、崔後渠(さいこうきょ/1478〜1541年)が説いた

六つの心がまえです。本号では15年前に出会って以来、幾度となく未熟なわたしに

勇気を与えてくれたこれらのことばについて、述べてまいります。

『自ら処すること超然』 

自分を突き放して、客観的に見ること。超然(ちょうぜん)とはこだわりを捨て、そ

こから抜け出たさまです。日常の振舞いや自らの進退、さらには経営判断に至るまで、

人はついつい自分を守ろうとして、「損得」を判断材料としてしまいがちです。しかし

そんなときこそ自分自身を突き放して俯瞰し、自我の意識に捉われない正しい判断を

行い、微力ながらも世の中に対して範を示す。そんな気概を携えたいものです。

『人に処すること藹然』

人に対して、のびやかでおだやかに接すること。藹然(あいぜん)は、雲がわきあが

るようすや草木が伸びるさまです。仕事でお客様に対して笑顔で接していても、家族

や後輩に対する態度が横柄だというケースは少なくないでしょう。身近な人に見透か

されるようでは、周りの人から支持されることは難しいはずです。だからこそハード

ルが高い課題となりますが、より身近な人に目を向けて取り組みたいものです。

『有事斬然』 

なにかことが起きたときは、強い決断力と行動力で事態を切りひらくこと。思いもよ

らぬアクシデントは年に一度あるかないかです。しかしそのときばかりは、ふだんは

居るのか居ないのかわからないようなわたしですが、決して社員を矢面に立たせるこ

となく、自らが全力で事態の収拾にあたります。ここまで六つの心がまえのうち、三

つについて述べてまいりました。次号では残りの三つについてご紹介いたします。

ありがとうございます。

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