E'b vol.131
vol.131 長所と短所
今年もbreathでは、二十歳の新成人33名のお支度をさせていただきました。ヘアセ
ット、メイク、着付けの3チームが協力し、早朝4時半スタートで30分刻みに来店さ
れるゲストを、次々に仕上げていきます。今年は1年目のスタッフがメイクを、2年目
のスタッフがヘアセットを、新たに担当することになりました。1年前の幹部ミーティ
ングの際は、その責任の重さから「任せるのはまだ早いのでは」という声が多数の中で
「一年かけて、長所をしっかり伸ばしていこう」という私が押し切った形となりました。
しかしその後の先輩スタッフによる、きめ細かい指導のおかげで、当日は二人とも初登
板とは思えないほど落ち着いた様子で、スケジュールどうりにしっかりと、与えられた
大役を全うすることができました。
知能技能の面では、短所を補うより、長所を伸ばす方がよいが、精神上の問題では、
長所を伸ばそうと考えるより、短所を除くように努力する方がよい。それが長所を
伸ばすゆえんに外ならぬからです。 『修身教授録』(森 信三著 致知出版社)
この度は専門性において「長所を伸ばす」ことは自信や勇気につながり、短所にもい
い影響を与えるものだ、という手応えを感じることができました。しかし人間性に関
しては、長所も度がすぎると、たちまち短所となってしまいがちなので注意が必要で
す。例えるなら、敏感は一歩誤ると神経質に、温厚は無神経に、勇気は粗暴に、鷹揚
は放任になりやすいように思います。だからこそ人間性においては、自分で自分の短
所である「欠けている点」を見つけ、そこを正す努力が必要なのです。しかし日常生
活の中で、至らない「自己を知る」ということは、そう簡単なことではないでしょう。
人は大きな過ちを犯し、身近な人に迷惑をかけたり、大切な人や仕事を失うようなこ
とがない限りは、なかなか自分自身の欠けている点に気がつくことはないものです。
だからこそ、これからも弊社では「転ばぬ先の杖」として、スタッフに対して「人間
学」を学ぶ場を提供してまいります。ありがとうございます。
0コメント