E'b vol.126
vol.126 指導の心得
美容学校に進学すると決めた高校三年生の次男は現在、放課後や週末に見習いとし
てbreathのフロアに立つようになりました。父親である私がいくら現役美容師と
いえども倅の美容業に対する「素質」や「資質」を変えることは出来ないでしょう。
しかしながら、本人の「素養」を磨くステージとして、breathは十分な環境だろう
なと思っています。なぜなら私たちが常々「教育」と「指導」のそれぞれを大切に
しているからです。スタッフがミスを起こした際はその都度「指導」を行います。
また一方では、スタッフがミスを起こさないように、日頃から「教育」に力を注い
でいます。部下がミスを起こしたら、教育的指導と称して原因を問い詰め、長時間
責め立てる上司がいます。私も以前はそうでした。思い通りにいかなかった現実を
受け入れる前に、相手を言い負かすことで、自分の気を晴らしていたのです。しか
し現在は「指導」する際に二つのことを心がけています。一つ目は、「時」と「場」
を選ぶということです。メジャーリーグにおいて多くの監督は、「指導」する際に、
選手のプライドを尊重して必ず部屋に呼ぶ、ということを徹底しているそうです。
その時その場で突発的に、では周囲の目や耳があるうえに、指導者本人に言葉を選
ぶ余裕がありませんので、私も十分な間をおいてから、個別に伝えるように心がけ
ています。二つ目は、あらかじめ人間関係を良好に保っておくということです。「人
は、好きな人からしか文化を受け取らない」という言葉があります。何を言うかよ
りも誰が言うかが重要でしょう。会社を下で支える立場の私にとっては「社員は、
好きな上司からしか文化を受け取らない」と置き換えることができそうです。だか
らこそ常日頃から、息子を含めた身近な人に対して、不快さを与えない、安心と喜
びを与える、「情」のある上司としての「人格」を高めてまいります。ありがとうご
ざいます。
0コメント