E'b vol.120

vol.120 継続は克己なり


もう間もなく、breathは平成最後の年の三月三日で創業十周年を迎えます。10年間を振

り返ってみますと、私はスタッフに対して「専門性と人間性を兼ね備えた、立派な美容師

になってもらいたい」という一心で経営を続けてきたように思います。恥ずかしながら、

これまでの人生の中で私は、決めたことを〈しつづける〉ということが出来たためしがあ

りませんでした。しかし、この10年間だけは思いを成就するために取り組んだ、二つの

ことを〈しつづける〉ことが出来たのです。一つは専門性に関して、自らが信じ磨いてき

たカットの基礎である、ベーシックカットを毎月社内で講習すること。もう一つは人間性

に関して、思うところを毎月誌面に綴り身近な方に伝えることです。何れもまだまだ内容

は力不足ですが10年間コツコツと続けたことは、私にとって「オレだって、やればでき

るぞ」という自信と、さらには「自分に克ったのだ」という克己心が植え付けられたよう

に思います。

「勝つ」は、相手を負かすこと。「克つ」は、耐え抜くこと。「克」という字は、〈カブトの

重さに耐えている人〉をあらわすそうです。じっと辛抱強く努力することで力が生まれま

す。他人に勝つよりも、おのれに克つ〈克己〉のほうが、あとあと人生において大きな意

味を持つでしょう。      (「素直な心に花が咲く」 苦境を乗り切る実践哲学 より)

手前味噌だと叱られそうですが、「優れた人格」を提供することで、「人から好かれる美容

師」が、おかげさまでbreathにも揃ってきたな、という手応えを現在感じています。大

変有難いことです。だからこそ、そんな「どこに行ってもやっていける」スタッフ達が「

それでもbreathで働きたいんだ」と思ってもらえるような社風を築き上げるために、私

はこれからもピカピカに光ったハサミを持ってフロアに立ち、これまで10年間続けてき

たことを、これから先も20年間は〈しつづける〉つもりです。これからも、よろしくお

願い致します。ありがとうございます。


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