E'b vol.197

vol.197  前後裁断


ブレスの朝礼では一名づつ日替わりでスピーチを行っています。その内容は「自分の 欠けているところ」もしくは「人の優れているところ」からの気づきにフォーカスす るようにお願いしています。先日ママ美容師の社員が次のようなお話をしてくれまし た。”先日、二歳の息子とケンカをしてしまいました。そのあと私がイライラした気 持ちで部屋の片付けをしていると、間も無くその息子が満面の笑顔で「ママ〜」と話 しかけてきました。私はあまりの切り替えの速さに驚くと共に、いつまでもイライラ した気持ちを引きずっている自分自信を恥ずかしく思いました。これからは息子の切 り替えの早さを見習って、思いを引きずらないようにしようと思います”私たちは皆 「まっさらな心」で生まれてきます。小さい子供の心はそのような生まれたての「純 粋な心」に近いのかもしれません。それに対して私たち大人は、歳を重ねるたびにイ ライラした気持ちやクヨクヨした思いを、いつまでも引きずってしまう傾向がありそ うです。そうして揺れ動く心を、落ち着かせるためのトレーニングとして、私は毎朝 15分「禅的瞑想」を行っています。これは、東洋の座禅と西洋的な瞑想を組み合わ せたトレーニング法です。 



 「禅的瞑想」をしていると、雑念がわき、思いがほかへ飛んでいくことがあります。 そして、はじめのうちは、どうしてもそのことを連鎖的に思いつづけてしまいます。 しかし、訓練によって、つぎつぎにわく思いを、「思っては、すて。思っては、すて 」と、あざやかに切りすてられるようになります。このことを「前後裁断」といい ます。 『素心学要論』(モラロジー研究所)より 



 何か思いどうりにいかない事が起きたとしても、イライラやクヨクヨをあざやかに 断ち切ることが出来たなら、決して人に対して声を荒げたり、物に当たったりする ことなく、周囲の人に不快さを与えず、安心と喜びを与える生き方ができるはずで す。「底の抜けたバケツ」のように。

0コメント

  • 1000 / 1000