E'b vol.196

vol.196  礼儀正しさ

今春イーハトーブの里、岩手県花巻市を初めて訪れた私は、地元の方のオススメで花 巻東高校を訪れました。校内へは入れませんでしたので外から野球部の練習風景をフ ェンス越しに眺めていると、下校する全ての生徒さんが爽やかな挨拶をしてくれまし た。メジャーリーガーの大谷翔平さんを育んだ花巻東高校は、勉強やスポーツのみな らず、師弟同行(礼を正し、場を浄め、時を守る)、立腰教育の推進(集中力・持続 力を養う)、朝読書の励行(読書が人を作る)を掲げ、礼儀を重んじる品格ある人材 の育成を行っているそうです。そうして学校を後にした私たちの車が横断歩道の手前 で停車すると、花巻東高校の生徒さんが渡り終わった瞬間に、自転車を降りてくるっ と振り返り、深々とお辞儀をするのです。その美しい振る舞いを目の当たりにした私 は、地元の行橋にも「人として大切な事を、きちん伝えてくださる先生がいればいい な」と思いました。 





 礼儀正しさは、相手を敬い、不快さを与えず、心地よくさせる行為です。そして何よ りもその人を美しく見せる最良の作法です。この素晴らしい生きるための術を、私た ち大人が率先し、実行して、子供達に伝えていかねばならないと思っております。                           「月刊素心」第15号より 




 長年ブレスに来店される高校生のお母様から「説明会で先生がいい話をしてくれた」 と伺いました。「謙虚さを大切にしよう」という内容で、「私は人に物を渡すときは両 手で渡すということ事を大切にしています。皆さんにも是非とも心がけてもらいたい ので、私に提出物を渡す際に、片手の場合は受け取りません」そのように話されたそ うです。私は、地元にもそのような先生がいらっしゃるのだと嬉しく思いました。こ れからも、周囲の人達と良好な関係を保つためには欠かすことができない「礼儀」を 大切にして、後から続く人たちに伝えていくことで、一隅を照らしてまいります。 (イーハトーブ:宮沢賢治による造語で、岩手県をモチーフとした理想郷を指す)

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