E'b vol.195
vol.195 自然の理法
スーパーで買い物をすることに縁がない私も、年に数回は妻から買い物を頼まれるこ とがあります。その際に、豆腐や牛乳など消費期限のあるものを買う際は、奥の方に ある期限の長いものに手を伸ばすことは控えて、なるべく手前のものを購入するよう にしています。新しいものを選ぶことは、自分にとっては都合がいいかもしれません が「自分さえよければいい」という行動は、どこか後ろめたい気持ちになるからです。 先日馴染みの「パンの木輪」(八幡西区八枝)さんでお会計をしようと並んでいると、 「カレーパンが焼き上がりましたので、焼き立てと交換しましょうか」と私の前の方 が声をかけられていました。損得を考えると「先に出来上がったパンから販売したい はずなのにな」と思いましたが、店員さんの「美味しいものを提供したい」という純 粋な気持ちのあらわれに違いないと感じた私は、次の瞬間つられて焼き立てのパンを 追加注文していました。
素直な心になると、ものごとを正しく理解し、それをあるがままに受け入れることが できます。自分の利益や都合ばかりを考えたり、せまい過去の体験や知識にとらわれ たりすることもなく、世のなかや自然の流れに逆らわない正しい考えかたや行動をし ます。したがって、ムチャなことをせず、まわりと衝突することもなく、障害もなく なり、ものごとを順調に運ぶことができるのです。 「月刊素心」第145号より
松下幸之助さんは、「素直さとは、雨がふれば傘をさすようなもの。雨がふるのに傘
をささないと、ぬれてカゼをひいたりする。雨がふってきたら、おのずと傘をさせば
よい。自然の流れにムリなくしたがうことだ」と言われました。人はついつい「自分
さえよければいい」という「自我の意識」で行動してしまうものです。だからこそ、
「自然の理法」に逆らわず、これからもお天道様に恥ずかしくない生き方を貫いてい
こうと思います。
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