E'b vol.119


vol.119  師表徳化


地元の工業高校に通う息子は片道約6kmの道のりを毎日自転車通学しています。そんなあ

る日、途中でタイヤがパンクしてしまいました。なんとか学校にたどり着いて担任の先生に

相談すると、修理用のチューブを購入するために、先生がホームセンターまで車で送ってく

れたそうです。そして学校に戻ると次は機械科の先生の登場です。手際よく慣れた手つきの

作業で、あっという間に修理完了という運びとなりました。学校教育の目的は「人格の完成

を目ざし、社会の形成者を育てる」と教育基本法に示されています。さらにそのための目標

として「知、徳、体の教育を行う」とあります。社会に役立つ人間づくりのために、学力(

知識と教養)、体力(すこやかなからだ)、徳力(思いやりの心)をバランスよく育むという

ことでしょう。ところが現在の学校教育では、知育と体育が中心で徳育はすみっこに追いや

られているようで残念に思います。そんななか息子から先生方の「思いやり」の話を聞いた

私は「いい先生に出会えてよかったな」と心がとてもあたたかくなりました。

師表徳化(しひょうとつか) 

    師表..........自らが手本となる。 徳化..........その徳によって、まわりを感化する。

breathでは毎年、美容学校の実務実習生を受け入れています。その際私たちは美容業界にお

いて先を歩む者として、実習を通じて学生さんに「専門性」に触れる機会を設けると同時に

「人間性」の大切さを伝えるようにしています。なぜならこの世界で生きぬいていくためには

「上手い」だけでは不十分であり「好かれる」ということが必要だと考えるからです。「子ど

もが全然言うことを聞かない」という話をよく耳にしますが、「子どもは大人が言ったように

はしないが大人がするようにする」とも言われています。だからこそ、限られた期間で大切

なことを伝えることは容易ではありませんが、息子の先生方のように「専門性」を通じて身

近な人に対して「安心と喜びを与える」後ろ姿を示していこうと思います。ありがとうござ

います。

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