E'b vol.185

vol.185 サロン経営の役割を問う


結婚に向けて千葉へ旅立った大久保聖良さんが、ブレスを退社する際にわたしに手紙

を渡してくれました。そこには”ブレスでは社会人としてのありかたを教えていただ

きました。朝お店に入る前に上着を脱いで一礼、一人一人に歩み寄り挨拶、その際は

前日お世話になったことへの感謝の気持ちを伝える、蛇口の水は鉛筆一本分、これら

の所作や行動で、人間性が大きく変わるということがわかりました。”という一節が

ありました。美容学校を卒業後に入社し、五年間の在籍中に徳(思いやり)を日々の

努力でコツコツと身につけた彼女は、世界中どこへいっても「周囲の人から好かれ、

信頼され、期待される人生」を歩んでいくだろうなと思います。



「徳育」とは、学力・体力を社会のために正しく生かせるよう、人としての道を教え

ることです。思いやりの心(徳)を育て、まわり(人、社会、自然)と調和すること

を教え育むのです。今の社会を見ると、「徳育」にもう少し力を入れ、「徳・知・体」

の教育のバランスを取ることが急務だと言えるでしょう。 (『月刊素心』第144号)



振り返ってみると二十歳で社会に出たわたしも、彼女と同様に「人としての道」を修

行先の先輩から、根気強く教え込まれたように思います。「徳育」は現在の学校教育に

おいては残念ながら隅に追いやられている現状です。だからこそ職場における「徳育」

が求められているのではないでしょうか。サロン経営において、知識や技術を習得し

たスタッフが卒業して独立する姿を見ることは、わたしにとってかけがえのない喜び

です。今年は弊社を12年間支えてくれた福田由希子さん(前店長)が4月に立派な

お店を構えました。知識や技術だけに留まらず、それらを正しく生かす「徳」(思い

やり)を店長職を通じて学んだ彼女のサロンもまた、周囲を明るく照らす存在として

キラリと輝くお店になると信じています。

                     「Cozy Hair&Beauty」(みやこ町勝山)

0コメント

  • 1000 / 1000