E'b vol.115

vol.115 人間学を学ぼう⑵



私は35歳の時に開業しようと思い立ち、長年お世話になった会社の社長だけに、そのこと

を打ち明けました。当時私は責任ある役割を与えられていましたが、それから1年半は職務

を全うすることをお約束して、社長は私の希望を聞き入れてくださいました。その瞬間には

”1年半は結構長いな”と感じたのですが、人生の師から「義理を大切にしたほうがいいです

ね」という助言をいただいていましたので、迷うことなく「はい、わかりました」とすべて

を受け入れて、退職間近まではそのことを出来る限り周囲の方に、口外しないように努めま

した。そして37歳の時に縁もゆかりもない行橋市において、顧客ゼロの状態でbreathを開

業いたしました。「背に腹はかえられぬ」という生き方を選ばず、苦しくても「正々堂々と胸

を張って生きる」生き方を選んだことは、厳しい環境に身を置いてこそ、たくましく成長す

ることができる、という「自然の理法」にかなっていたのかもしれない、と感じています。

素心学とは、素直な心を学ぶということです。素直な心とは、心にクセがなくまっすぐな状

態をいいます。人の心は、「自我」と「過去の行為」によってクセがついています。素心学で

は、この心のクセをまっすぐにしていくことを主題としています。心のクセは、「禅的瞑想」

感謝の言葉」「一日の反省」を毎日くり返すことによって正されてきます。心のクセは、表

情、語調、動作にあらわれていますが、それが正されてきますと、おのおのがやわらかくな

り、全体の雰囲気がやわらいでいきます。「和顔愛語」の人になります。素直な心はものごと

の本質をありのままに受け入れ、自然の理法にかなった行為をします。素直さを習得した人

は、諸事の判断に、あやまりがなく、またムリがなく、まわりの人や自然から支持され、も

のごとを成就させていきます。                    「素心学の定義」

私が15年前に社命により学び始めた「素心学」とは素直な心を学ぶ学問です。そして学ぶこ

とは行動のきっかけづくりであり、行動こそが学んだことの証とされています。従いまして

breathという美容室は私にとって、その学問を実践するステージに他ありません。未熟な私

はまだまだ素直な心に至りませんが、生涯をかけて少しでも近づけるように、自己を正して

まいります。そして私が目指す「素直な心」とはどのような状態をいうのかを、次号で具体

的にお伝えしようと思います。ありがとうございます。

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