E'b vol 165
vol.165 父母の恩
私は20歳で美容室に就職した際、寮に入りました。その際、長年お世話になった実家
を出ましたが、当時の私は「男が一旦家を出たら、しょっちゅう帰ったり、電話したり
するのはかっこ悪い」と思い込んでいましたので、実家に顔を出すのは、盆と正月の二
回きりでした。子供の頃から長年両親から受けてきた両親への「恩」について、まして
やその恩に対する「感謝」について、当時の私は考えたこともありませんでした。しか
し年齢を重ね、自分自身が親になったこと。10年前に父を亡くしたこと。また現在の
母の姿を見て、だんだんと「親孝行はしなければいけないな」という気持ちになり、や
がては「親孝行できる人間でありたい」と思うようになりました。母は昔から、息子で
ある私の誕生日には、必ず電話をかけてきて「誕生日おめでとう、○○歳になったね」
と祝ってくれました。そして私は「ありがとう」と普通に応えていました。しかしそれ
ではダメなのだという事に、だんだんと気づかされるようになったのです。そこで現在
は自らの誕生日には、母に対して「〇〇歳になりました。おかげさまで幸せです。いつ
も、ありがとうございます」と、自分から感謝の言葉を伝えるようにしています。
「孝は徳のもとなり」・・・ 親孝行は、道徳の根本である
一般的には、自分の誕生日には家族や友人など、まわりの人から祝ってもらうものだと
思いがちです。 私も以前はそう思っていました。 しかし、誕生日とは母親が命がけで自
分を産んでくれた日です。また、大人になるまで、両親が一所懸命に育ててくれた、そ
の始まりの日でもあります。「いま自分がここに存在しているのは、父母がいたから」「
この世に存在するのは、両親のおかげ」です。そうして私自身の誕生日は、人から祝っ
てもらう日ではなく、両親に感謝する日になりました。これまで受けてきた恩を思い返
せば、まだまだ恩返しには到底至りませんが、これからも、母に対して安心と喜びを与
えていきたいと思います。ありがとうございます。
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