E'b vol.156
vol.156 時を味わおう
今年の行橋市の成人式は、会場の都合により例年よりも遅い時間に開催されました。
おかげさまで、御支度のスタート時間やスケジュールの枠組みは、従来に比べると
「ゆとりのある体制」で行うことができました。私は30年近くこのイベントに携わ
っていますが、毎年隙間なくビッシリと詰まったスケジュールを、早朝から慌ただ
しい空気の中で、ピリピリした緊張感を保つことで、何とかやり遂げてきました。
そしてラストのお客様を送り出して帰宅すれば、布団に倒れ込み夕方までぐっすり
と休むことを常としていました。しかし今年は成り行きの結果ながら、時間に余裕
をもった成人式営業を行うことができたのです。従来はお客様に対するお見送りも、
ままならなかったのですが、おかげさまで今年は担当スタイリストが新成人の晴れ
着姿を、和気藹々とiPhoneで撮影していました。私はその光景を目の当たりにし
て、これがブレスらしい成人式営業のありかたに違いないと確信しました。
動物生理学の本川達雄先生の『ゾウの時間 ネズミの時間』という著書によれば、ホ
乳類ならどの動物でも一生の間に、心臓の鼓動は二十億回、呼吸は五億回だそうで
す。ネズミはほんの数年しか生きませんが、ゾウの寿命は百年近い。それでも、同
じ数の鼓動と呼吸なのです。ゾウもネズミも、二十億回心臓が鼓動を打ち、五億回
息を吐いて吸えば、それで寿命が尽きてしまうのです。もちろん、同じホ乳類であ
るヒトも、その例にはもれません。 『素心学講義』(致知出版社)より
いくら大切な仕事とはいえ、心臓をドキドキさせてスタッフの命を縮めるというこ
とは、決してあってはならないことです。だからこそ、これからの成人式営業では、
スケジュールに規則的なスキマを設けることで、共にお祝いの「時を味わう」こと
ができるような御支度をさせていただこうと思います。
穏やかな、ゾウの息(Elephants breath)を見習って。ありがとうございます。
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