E'b vol.97


vol.97 支えよう

店長と呼ばれるようになったのは、breathを開業する4〜5年前だったと思います。大 きなお店を任せられたからには、必ず繁盛店にしよう、と意気込む当時の私は”日曜日に 結婚式に出席したいので、お休みをください”というスタッフの申請を却下することで、 売上を確保することが店長の職務なんだと信じていました。そのためには、私自身が誰よ りも働き、背中を見せることが必要で、年末の書き入れ時には、丸々1ヶ月休みを全て返 上して、働いたりしていました。”俺がこれだけやってるんだから、みんなも頑張ってく れ”そのように口には出しませんが、その頃の私の言動には、そんな思いが常に表われて いたに違いありません。その結果、公休を求めるスタッフと激しい口論をしたこともあり ますが、今思えば本当に申し訳ないことをしてしまったと思います。そしてリーダーとは どうあるべきなのか道を探していた時、私は人生の師と仰ぐ経営者の方から届いたハガキ の文面に”下で支える”という言葉を見つけました。   徳は孤ならず、かならず隣あり         (徳を身につけると周囲に人が集まり、孤立することはない)  大学 理想のリーダー像に関しては”先頭に立って引っ張る”というイメージしか持ち合わせて いなかった私にとって、目から鱗の”下で支える”という言葉は、それ以来かけがえのな い道しるべとして、私の足下を常に照らしています。リーダーの大切な仕事は、スタッフ 一人一人との人間関係を、あらかじめ良好に保っておくこと。だからこそ、引っ張るので はなく、下で支えよう。欠けたところを指摘するのではなく、労りの言葉をかけよう。そ のための徳を身につけよう。今はそのようにありたいと思っています。そしてこの度、私 は10年以上愛着がある店長という職を退きマネージャーに、現在副店長の佐野遥香は店 長に、そしてスタイリストの奥本奈穂は副店長に、それぞれ3月21日付けで就任いたし ました。これからも共に会社を支えてくれる二人を、頼もしく感じております。何卒、よ ろしくお願い致します。ありがとうございます。   

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