E'b vol.149
vol.149 無為自然
その土曜日が記憶に残る一日になるとは、思いもしませんでした。朝、お店に向か
う私は「今日は久しぶりにナオさんと働けるな」と喜びながら出勤しました。数日
前に現在育児休暇中のナオさんから、第二子を授かったという「嬉しい報告」を受
けた際に、「安定期に入ったので、忙しい日は手伝いに行きますよ」という彼女の
心遣いに甘えることにしたのです。ブレスは「思いやり」を大切にする会社です。
だからこそブレスの店長には、技術や接客などの専門性はもちろんですが、それに
も増して周囲の人に対して「不快さを与えない」さらには「安心と喜びを与える」
という人間性が求められるのです。そのようなブレスの店長を長年に渡って立派に
務めた、ナオさんの久しぶりの仕事ぶりは、肩ひじを張らず、水が流れるかのよう
な所作で、痒いところに手が届く心遣いが満載でした。私は二年というブランクを
勝手に心配していましたが、そんなことを全く感じさせない元店長の「無為自然」
なサロンワークに、とても大きな安心と喜びをいただきました。
無為自然(むいしぜん) なんら作為をせず、あるがままの状態。見せつけるような
造作をせずに、自然な状態でありながら、整っている状態。
無為自下(むいじか) 君主や上司自身が徳のある行いをすれば、それに感化され
民衆や部下の行いも、良いものに変わってくる。
今、目を閉じれば、その日の「何とも言えない満たされた心地よさ」が漂うサロン
の空気感がじんわりと私の心に蘇ってきます。この記憶に残る土曜日の雰囲気は、
決して「元店長がやってくるから、下手なこと出来ないぞ」というピリピリしたも
のではありませんでした。徳(思いやり)のある人物による、「あるがままの行い」
が自ずとスタッフに感化し、ここで働く全員の「思いやり」に対する「敏感さ」が
高まったに違いないと感じました。今後も、また一緒に働けるのがとても楽しみで
す。ありがとうございます。
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