E'b.93 見守ろう

vol.93 見守ろう


「まあ、ええやないか」「やってやろうやないの」「なんとかなるわ」私は6年前に、こ
の三つの呪文に出会いました。大阪出身の、長友啓典さん(アートディレクター)の
言葉ですが、それ以来、何か事が起こるたびに、これを唱え続ける事で、私は心の中で
くすぶりかけた、寛容さや勇気という炎を、静かに燃やすようにしています。さて三名
で開業したbreathは、年々スタッフの成長と共に、自ずと会社も成長し、現在10名
で営業しています。当初はあらゆる仕事を、私自身が引き受け、それをスタッフに手伝
ってもらう、というスタンスでしたが、今では自分にしかできない事よりも、自分がで
きない事(着付け、メイク、エクステ、ヘッドスパ、ネット予約システムの管理など)
が随分増えて、スタッフに仕事をお願いする事が多くなって来ました。そのように、仕
事を任せる際に私は、一つ目の「まあ、ええやないか」という呪文を大切にしています。
しかしこの寛容さという広い心は、足りなければ厳格に、行き過ぎれば放任になってし
まいますので、その舵取りはとても難しいように思います。

         大国を治むるは 小鮮を烹るが若し   老子

小魚を煮る時に引っかき回しすぎると、身がバラバラになって食べれなくなってしまい
ます。同様に大国を治めるには、形を崩さぬよう、こまごまと細部にわたって干渉しな
いことが大切である、という訓戒があります。とはいえ、美味しい煮魚にするためには、
ほったらかしではダメでしょう。下ごしらえから、火加減、水加減、味付けなど、細部
にまで丁寧に目を行き渡らせながらも、見守っていくことが重要に違いありません。決
してbreathは大国ではなく、スタッフが小魚というわけではありませんが、私はつい
つい、全てを丸投げにしてしまう傾向が強いように思いますので、干渉し過ぎないこと
と同時に、丁寧に見守るという事を、怠らないように努めてまいります。ありがとうご
ざいます。

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