E'b vol.92
vol.92 師の教え
自分で書いた文字が、後から読めないほど字が下手な私は、数年前からお客様(書
道の先生)に個人レッスンを受けています。しかしながら、先生を独り占めするの
は、あまりに勿体ないので、最近は行橋に越して来た母を誘い、営業前にbreathの
二階で、月二回、二人で書を学んでいます。ペンを使った硬筆に始まり、現在は小
筆に取り組んでいますが、先生から”そろそろ筆で作品を出してみたら”と言われる
ままに、この度作品展に出品することになりました”私なんかで大丈夫かな”という
のが心の声ですが、私は人から何か言われたときは、基本的にはどんなことでも”は
い、わかりました”と受け入れる事を、10年ほど前から大切にしてきましたので、
師である先生の仰る事であればなおさら、迷う事なく”はい、わかりました”と即答
です。私は人生の師、経営の師、カットの師、山歩きの師、釣りの師など、素晴ら
しい師に恵まれていますが、師の教えを忠実に守り、愚直なまでに一途に貫き通す
ことができたなら、それはやがて実践による納得に至り、後に続く人に伝える際に
は、教えの受け売りや、知識の切り売りではなく、きっと”相手の心に届く教え”に
なるように思います。
一切肯定 ひとの言う事を”はい、わかりました”と受け入れる。
それから先生が”喜久の喜は、いい字だからそれにしたら?”と仰ったので「喜」と
いう字に取り組むことになり、”表装は下地をお母さんの好きそうな、淡い紫にした
ら?”さらには”作品展が終わったらお母さんにプレゼントしたら?”という運びで、
結果的に私は、母に対して”世界にひとつだけの贈り物”をする事ができました。専
門性である知識や技術だけではなく、私にとって師とは、人として大切な事を教え導
いてくださる、かけがえのない存在に違いない、ということに改めて気付くことがで
きました。これからも”はい、わかりました”という言葉を大切にして、生きて行き
ます。ありがとうございます。
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