E'b vol.91

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vol.91 深山の桜


深山(みやま)の桜という言葉があります。文字通り、山奥に咲く桜の木のことで

す。breathは平成21年3月1日に3名で開業しました。その頃は、3日間の営業

でカットのお客様が一名だけ御来店、などのワースト記録をたたきだすような日々

でしたので、当時出会ったこの言葉は、これまで幾度となく、しょぼくれそうにな

った私を支えてくれました。開業前は小倉南区で勤めていましたので、独立の際に

職場の上司からは”そんな行橋まで行かんで、近くに店出した方がいいぞ”と諭さ

れましたが、出来る限り神様に借金せず、後ろめたい気持ちをなくして、堂々と胸

を張って生きて行こうと思い、縁もゆかりもない、行橋にやってきました。低い位

置からスタートするということは、一見遠回りのようですが、苦しさや不自由さの

中だからこそ”だったらこうしてみよう”という知恵や工夫が生まれ、それはかけ

がえのない財産になる、ということをじっくりと味わう事が出来ました。

たとえ深山の桜でも、いい花を咲かせていたら、人が足を運んでくる。すると、そ

こに道ができる。そのとき、深山の桜というのは、たいへんな値打ちがでてくる。

毎年、美容専門学校からの実務実習生を受け入れていますが、今回は門司に在住の

美容学生さんが7日間、breathで職場体験をされることになりました。そこで、

数ある美容室の中から、弊社を選んだ理由を尋ねてみると、リクルート担当の井手

が学校で行ったガイダンスを受けてみて”雰囲気がよさそうだった”ということで

した。雰囲気を判断することは、求人パンフレットやHP、SNS、などの情報からで

も可能ですが、そこで働く人を眼の当たりにし、にじみ出る表情、語調、動作を肌

で感じること、それに勝るものはないように思います。breathはまだまだ、たいへ

んな値打ちには至りませんが、足を運んでくださる皆様の期待に応えられるように、

いい花を咲かせていこう。そのように思っています。ありがとうございます。

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