E'b vol.77
一切肯定
行橋市の中学生を対象とした”ニューヨークでホームステイをしよう”という企画に向けて
必要書類を準備し、選考用の作文を提出していた中学二年生の息子から、面接の前日職場に
泣きながら電話がありました。部活の顧問の先生から”おまえそれに行くんやったら、新人
戦ださんけの”と言われたようです。”先生なのにそんな言い方はないだろう、生徒の可能性
をつぶすような言葉は許せない”直感的に私はそのように思いましたが、ひと呼吸置いたら
”一切肯定”という、人生の師の言葉が目の前に浮かびました。そして次の瞬間に”いや、
こういう時こそ、全てを受け入れよう”と思い直しました。そしてその夜、私は息子と二人
で、自分が進む道を自由に考えて選択出来る、この日本という国に生まれたことに対する幸
福感や、思い通りに行かないことがあっても、逆らわずにすべてを受け入れる生き方につい
て、語り合いました。そして結果的に翌日息子は、自ら部活に専念する道を選択し、前向き
な心で、ニューヨーク行きの面接を辞退することが出来たようです。
人の言うことを、「はい、わかりました」と聞き入れる。(一切肯定)
困ったことが起きても、「起こるべくして起こった、ありがとうございます」と受け止める。(一切感謝)
中学二年生で同世代の仲間と共に貴重な海外経験ができるかもしれない。このチャンスを是
非実現させてやりたい。そのように願う私にとって、先生のひとことは”都合の悪いこと”
でした。そして身近な家族に対して、喜びを与えようとする、大変結構な私の願いは、多面
的に捉えてみると、一意専心の大切さを伝えようと、日夜真剣に指導をしてくださっている
顧問の先生に対して、あらかじめ丁寧に相談をしてから事を運ぶ、といった配慮に欠けてい
たかもしれません。今回の出来事は私が心の中にギュッと、にぎりしめた自我執着を押し通
しそうになりましたが、かろうじて逆らうことなく、受け入れることで、息子と私にとって、
”一切肯定一切感謝”に関する、ありがたい学びの機会になりました。ありがとうございま
す。
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