E'b vol.89



vol.89  後ろ姿


先日、ある勉強会で”子は親のいうようにはしないが 親のするようになる”という

お話を、元校長先生から伺いました。それは私の心の真ん中に、グサッと音を立てて

突き刺さりました。なぜなら、勉強会に向かおうと家を出る直前に、息子に対して”

勉強せんかっ”と大きな声を浴びせた直後だったからです。私は一年を通じて、職場

は勿論、家庭においても、よほどの事がない限り大きな声を出す事はありませんが、

受験をひかえた、中学三年生の息子の勉強に対する姿勢が目に余り、つい大きな声を

出してしまいました。そのお話の中では良い事例として、あるお父さんが息子さんの

高校受験の際、同じタイミングで仕事に関連する国家資格(二級建築士)に挑戦し、

自ら勉強に取り組む姿を、間近で息子さんに示した結果、見事に親子揃って合格され

た、というエピソードまで伺いましたので、私はついさきほど思いつきの口先だけで、

息子を従わせようとした、自身の稚拙な言動を、とても恥ずかしく思いました。


前姿ではなく、後ろ姿で子どもたちを指導したい。

前姿は、口でものを言って教えること。

それに対して後ろ姿とは、自分の行動を見せて教えること。

ひとつのことをし続ける。すると、それは自然に相手へと伝わっていく 

曽根東小学校 芳野充校長(当時)のことば


家で暇さえあれば、テレビかゲームにかじりつく息子の習慣は、家で暇さえあれば、

ゴロゴロして、ブログやSNSのチェックに忙しい私が、ルーツに違いない。そのよう

に気づかされた私が、こうしてパソコンに向かう目の前では、同じダイニングテーブ

ルでようやく息子が、夏休みの宿題を始めました。これまで私は家庭になるべく仕事

や勉強を持ち込まないようにしよう、という意識が強かったため、家で机に向かうこ

とがほとんどありませんでした。しかし、これからは家庭においても、少しでも多く

の時間、腰骨を立てた正しい姿勢で机に向かい、学びに取り組む姿を見せていこう。

そのように意を新たにいたしました。ありがとうございます。

0コメント

  • 1000 / 1000